ホットスポットをハンター?
衝撃的な言葉だと思いますが、私達は2012年から放射性セシウムが周囲よりも濃縮した場所=ホットスポットをハンターのように探し続けてきたグループです。
代表の"Sugar Nat"(アカウント名)と、その活動に賛同したメンバーが集まり、プロジェクトチームを作りました。正式名称は、”Hotspot Investigators for Truth”(略称HIT)ですが、名前が長く覚えにくいので「ホットスポットハンターズ」というニックネームを付けました。
ハントする(hunt)には、狩りをするという意味の他、見出そうとする、追跡する、追及するという意味があります。ホットスポットを見つけ出し、追跡し、追及するという意味の名前だと覚えてください。
■ホットスポットハンターズが生まれたきっかけ
代表の”Sugar Nat”は、環境省が本格的な除染実地計画を策定した際に、除染ガイドラインや特措法を調べていく過程で、ガイドラインの中に「多くのホットスポットは積極的に管理しなくてもよい」という意味が含まれていることに気づきました。それに加えて、国はホットスポットになりやすい場所を説明しているにも関わらず、ホットスポットのデータベースを一切作っていない事に危惧を抱きました。
このままにしておくと、住民が普段の生活の中で知らずに被曝するかもしれない、だったら自分ができることから始めようと、同じ思いの人に協力を呼び掛けて始まったのが、このプロジェクトです。
■ホットスポットハンターズの活動目的
ホットスポットは、ごく限定的な範囲です。測定して高い数値とわかれば、除去して被曝や飛散の危険を減らすことができます。
目的のひとつ目は、ホットスポットが見つかった場所において地域住民の皆様と協力し、自治体に交渉して除染や清掃をお願いをすることです。そのための自治体との交渉方法、アドバイスなどをサポートしていきます。測定器の使い方や数値の読み方を、出張してレクチャーする相談も受けます。
住民が測定し、事実を自治体に報告して除染してもらうという官民の連携が、遠回りのようで結局は汚染を取り除くための近道です。それがこの6年間で学んだ事実です。
ふたつ目の目的は、濃縮してホットスポットになりやすい地形や傾向を可視化して、被曝のリスクを減らすことです。ホットスポットを探すことは、安心して遊べる場所をもまた知ることができます。大人よりも放射線感受性の高い子どもたちを、より安全な場所で遊ばせたいと願う気持ちを、私たちは後押ししたいと考えます。

木の根元は、ホットスポットになりやすい場所の1つ。「Hotspotfinder」という、空間線量とGPSデータを組み合わせてマップ上に連続記録できる装置を使って丁寧に測定しながら記録しています。
■”Sugar Nat”のホットスポットハンター日記
”Sugar Nat”は、平日は仕事があるので、基本は仕事の休みの日や就業後の夜にハンターに出かけます。SNSやYoutubeにあがっている、線量が高い場所情報を参考にすることもあれば、心配して測定をお願いされる場所へ出向くこともあります。測定には何種類かの測定器を使っていますが、広い場所から濃縮している場所を見つけることは時間のかかる作業で、忍耐力が必要です。
空間線量測定器は自前で用意し、採取した土壌の測定は譲り受けた測定器と「東林間放射能測定室」のサポートを受けています。時間だけではなく機材や交通費など、金銭的にも負担の多い活動です。
昨年、関東の放射能汚染を心配して、その調査を公約の1つに掲げて参議院選挙に立候補した候補者の方がいました。その政治団体が公約の為に購入したHSF(ホットスポットファインダー)というGPS付きの高価な測定器もお借りしています。応答速度の速いHSFを使う事で、ホットスポットを見つける時間の短縮になるので大助かりです。そんな風に多くの人のサポートを受けながら、日々コツコツと測定を続けています。
測定後は、集めたデータを元に清掃や除染の申請の為に自治体へ交渉に行きます。平日に仕事を休まなくてはいけない場合もあり、住民ではない地域の申請と交渉には人知れない苦労があります。しかし苦労多くも不可能な事ではなく、今までに自治体が動いてくれた実績があります。
【自治体による過去の除染等の実績】※行政書面では「除染」を「低減策」と記す場合があります。
・「東京都足立区」において、足立区中川北小学校、島根小学校、蒲原中学校、東綾瀬小学校、6ヶ所申請の内6ヶ所すべて低減策実施済、公園6ヶ所申請の内2か所低減策実施済、生活道路12ヶ所申請の内8ヶ所低減策実施済。
・「東京都葛飾区」において、50ヶ所除染申請の内、1ヶ所の除染、学校1ヶ所含む36ヶ所の清掃による低減策実施済。
・「埼玉県越谷市」において、越谷レイクタウン交差点にて清掃の低減実施済。
・「千葉県流山市」において、55ヶ所(小学校、通学路、公園含む)除染申請中結果待ち。
計54ヶ所の除染実績。
※「私がこのプロジェクトを始めたわけ ~ホットスポットが見捨てられる!~」
■「みんなのデータサイト」との連携
コツコツと探し集めたホットスポットのデータをどのように活用したら良いか?
誰でもがアクセスし活用できるデータベースをどのように作ったら良いか?
私たちは、「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」を続けてきた「みんなのデータサイト」の中に「環境濃縮ベクレル測定プロジェクト」と題して、データをWEBサイトに組み入れてもらうお願いをしました。
WEBサイトでは、どのような場所で濃縮が起こりやすいのかを12種類に分類し、既にイラストと分類名で表示を行なっています。分類地点に該当するホットスポットの測定結果を閲覧することができます。

「ホットスポットハンターズ」はホットスポットの調査及び採取・測定・入力を、「みんなのデータサイト」には表示システムの設計とデータ保持を担当してもらうことで、役割分担を行ない、協力してこのプロジェクトを広め告知していこうと考えています。
■資金の使いみち
発足から資金が集まらない中、自費でプロジェクトをスタートしたことで、様々な経費がかかっています。これまでにかかった費用、またこれから必要な費用を皆様にご支援頂ければ大変有り難いです。

※現在のところ、総測定件数を100件と想定しています。
※50件分の測定費10万円、初期のシステム開発費10万円は、「みんなのデータサイト」が2017年1月に
■ホットスポットハンターズを応援します!
【松戸市議 DELI 】
僕らも地元の千葉県松戸市で、市民の方々などと協力してホットスポット探しをしていて、指標値である地表50センチの高さで0.23μSv/hを超える場所がみつかれば、市に通報して処理をしてもらっています。
1日平均7〜8公園の計測しますが、毎回この指標値超えは1〜2ヶ所みつかります。
まだまだこのホットスポットは関東にも点在していると思われ、吸い込むリスクを考えればリスクを回避しなければなりません。本来環境にはあってはならない物質なわけですから、こういことは行政がやるべきなんですが、国の指針もあり各地方自治体でもなかなか積極的にホットスポットを探してリスク回避をしてくれない。
ならば文句を言って待ってるだけじゃなく自分たちで行政の足りない部分をやってしまおう!というまさに脱カスタマー!
いつまで経っても、文句ばっか言ってるだけじゃ単なるお客様!
って事で、脱カスタマーなこの活動を僕は応援します!

【人間ときどき映像作家 丹下紘希】
「目に見えない」というだけで、忘れようとするのが人間だ。
僕もいつも持っていたガイガーカウンターも、いつの間にか持たなくなった。
しかし、誰に頼まれるでもなく、その存在を計測し続ける人たちがいる。
とても根気のいる作業をしているこの方たちを応援します。

【フリーライター 吉田千亜】
原発事故にかかわる様々な政策をみていると、政府はつくづく「なかったこと」にしていく意志を感じます。放射性物質が五感で感じることができないからこそ、それが可能となっている。だからこそ、放射能汚染を見える化することが重要です。
いま、それを行わなければ、本当になかったことにされてしまう。事実を明らかにしたいーーその「思い」も、見える形にしていく。
この結果は、いま、生きている人々だけではなく、次世代、その次へ・・・と、残るであろう、尊い、そして悔しい作業でもあると思います。本当に頭の下がる思いです。ぜひみなさんも、この時代に生きるものとして、応援してください。

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資金が集まり、プロジェクトに賛同してくださる方と協力し、子どもたちの安全のために手を取り合ってゆく協力体制が広がることを目指しています。
ホットスポットハンターズの活動目的とその重要性にご賛同いただける方は、どうぞご支援をよろしくお願いいたします。